努力し続ける人たちとの戦いに勝ち抜けるのか

フリーランスをずっとやっていた人が会社員になって感じたサラリーマンのゆるさを書いた記事をはてな匿名ダイアリーで見かけました

会社員ってびっくりするほど「ぬるゲー」だな

私もサラリーマン人生を送ってきたので「ぬるゲー」だと感じる場面があるのはよくわかります。フリーランスだと1から10まで(基本的には)自分自身でやらなければならず、サラリーマンと比べれば自分ですることは非常に多いです。

それに対して、サラリーマン(会社)は分業制によって「自分がやるべき業務」が明確化され、その業務範囲もある程度限定されています。自分がやるべき業務以外は代わりにやってくれる部署(人)があり、自分がやるべき業務に集中して取り組みさえすればいいのです。

そのような環境にフリーランスの人が入ったなら、そりゃ「ぬるゲー」だと感じるはずですよ。個人がやるべき業務が大幅に減るので、これまで自分がやるべき業務以外に割かれていた時間が戻ってくるわけですからね。

「ぬるゲー」と感じる組織ではやる気が削がれる

分業制によって時間が戻ってくるので、本来であればやるべき業務にその時間を使ってより良い仕事ができるはずです。しかし、はてな匿名ダイアリーの記事でも最後に書かれていましたが、「ぬるゲー」の世界に生きているとどうしても楽な方に行きがちなんですよね。

あ〜あ。こんなとこにいたら脳みそ溶けちゃいそう。

この記事を書いた人が今どのようなことを考えながら働いて、今後どうなるかはわかりませんが「ぬるゲー」だと感じた時点で脳みそが溶ける方に向かっちゃう人のほうが多いのが世の常です。新人時代あるいは転職直後などは緊張感もあって必死に働いている人は多いのですが、半年経ち、1年経ちと時間が過ぎるに従って環境に慣れることでその緊張感も薄まり、どんどん必死さがなくなっていきます。

業務内容を覚えるに従って悩む時間も減って無意識に業務を処理することもできるようになりますし、余裕ができることで雑談する機会なども増えてくるでしょう。そのこと自体は自身の成長によって実現できた効率化のもたらす恩恵なので良いことだと言えるでしょう。コーヒーブレイクやタバコを吸う、ネットサーフィンをするといったことが業務の合間にできるようになったのは、やるべきことを期限内に終わらせることができるからこその行動ですからね。

あえてこの点を問題だと見た場合、余裕ができた時間の使い方が残念な人が多いことなのではないでしょうか。時間の使い道がコーヒーブレイクや喫煙、ネットサーフィンなどにしか使われていないことがあまりに多すぎます。業務内容の改善自己成長につながるような取り組みに時間を使うことができる組織/環境が作られていれば、「ぬるゲー」と感じる職場にはならず自身や組織の成長を実感できる素敵な職場になるのだと思います。

職場にいる皆が業務をきちんとこなした上で自分の業務や能力の向上を実現するための取り組みを行なっている会社って凄いと感じるし、ベンチャー企業で働くことが自身の成長につながると思われているのは必死で事業の成功を目指して日々頑張っている環境がそこにあるからなのではないかと思いませんか?

はてな匿名ダイアリーで書かれている会社の社内が「ぬるゲー」と感じるということは、急成長しているような会社ではなくて、安定しているか緩やかに減退している会社なのかなぁ…と思って文章を読んでいました。業績が悪い会社はそもそも「ぬるゲー」なんて素敵な言葉が出てくることはない、殺伐とした雰囲気があると思うので少なくとも安定はしているのではないかと思いますが。

目に入る周囲の人の言動がこの方にとって「ぬるい」と感じることが「ぬるくてもいいんだな」と気が抜けた日々になっていくことが1番心配です。どれだけ過去に必死になって働いていたとしても、低きに流れるのが人間の性だと思うのでやる気が失せて楽な方に進んでいきそうです。。。

別に頑張ってくれないならそれでもいいと割り切った

少しだけ自分の話になるのですが、私が勤めていた会社での周囲の言動や取引を行っていた会社で見聞きした範囲では「ぬるゲー」の世界を生きている人が多かったです。もっと頑張れば更に良い結果が得られるのにも関わらず、とりあえずできる範囲で終わって問題なければいいという考え方をしている人たちが数多くいました。

自分自身は結構仕事が好きだったこともあって、時間を見つけては自己鍛錬し、「今日より明日、明日よりも明後日いい仕事をできるように頑張ろう!」という考え方で日々働いていました。その考え方を周りの人も持ってくれれば会社としても個人としても成長を続け、とても楽しい職場環境になるだろうと思っていたんですね。

そのような考え方を持ってくれる人を増やそうとして、少しずつ周りの考え方を変えるための取り組みも意識的にやってきました。具体的な取り組みの内容を書くと長くなるのでここでは触れませんが、ちょっとした努力によってこれまでよりも良い結果が得られるという経験を味わって貰うことで自分から努力をするような思考に変わっていくように支援していたのです。

強制によって努力させたとしても本人の気持ちが前向きでなければ続かないですし、なによりその人が楽しく働けなくなってしまうので強制することはしませんでした。あくまでも、自らチャレンジしたくなる環境を作っていくことによって自発的な取り組みとして成長に向けた時間の使い方を行なってもらうことを目指した取り組みをしていました。

この取り組みは多少の失敗はありつつも徐々に結果として現れ、取り組みをする前よりもみんな自信を持って業務を行なっていたし、成長するためのアイデアも出てくるようになりました。その頃はビジネス(売上/利益)としても目に見えて成果が出てきましたし、「やって良かった」と本当に思ったものです。

ただ、限られた人員に向けた取り組みであったため、自分自身の目が届く範囲では成功したものの会社全体を巻き込むにはまだまだ時間が必要でした。自分の目が届かないところ(他部署など)では依然として「自分から頑張ろう」と考え努力する人の方が少なく、「ぬるゲー」でやっていけるのであればそれでいいとしか考えない人の方が多数派でした。

最初はそういう人たちのことを苦々しく見ていた(他部署であったり、先輩であったりなので口が出しにくかったのもあって見ていただけのケースも多かったです)のですが、「そういう人がいてもいい」と割り切ることにしてからは特に気にもしなくなりました。

割り切るのにあたって、以下のような風に考えました。

「世の中のほとんどの人が努力しようとしないのであれば、ちょっと努力を続けただけで勝てる。ちょっとの努力で勝たせてくれるなんて、なんて優しい世界!」

周りのみんなが切磋琢磨しながら成長していく環境はとても魅力的ですが、それだけ競争環境は厳しいとも言えるわけです。それに対して、周りが努力をしないでいてくれるのであれば、ちょっとだけでも努力を続けていれば社歴などに関係なく実力ですぐに抜きされます。

常に全力で走っているけれど、周りも全力で走っているから距離が離れないのはしんどいですから、周りとの距離が離れていくのが実感できる環境はやる気を維持できる点や努力を結果で実感できる点では周りに努力しない人がいる方がわかりやすくていい気もします。

周りが努力しない環境で努力することには当然デメリットもあって、「できる人に仕事がどんどん振られる問題」の被害者になってしまうことが往々にしてあります。特に社歴が浅いうちに「できる人」認定されると、上の人達からどんどん仕事を振られて大変な思いをしてしまうこともよく聞く話です。

「努力は大事だけどそれによってもたらされる負の面が大きい」のでそれを避けたいと考えるのも仕方ないかなとは思います。「必死で振られた仕事をしたところで給料変わらない」「仕事を振ってきた無能な上司の方が給料もらってる」なんて不満を1度は感じたことがある人は多いのではないでしょうか。

ただ、そういう理由で成長機会を逃すのだけはもったいないなぁ…と自分は思うんですよね。今の会社にいても夢も希望もないと判断したら出ていけばいいわけですし、出ていく時によりよい条件を引き出せる人材になっておくことの方が長期的に見れば重要なことだと私は思います。

過重労働によって心身に不調をきたすようなところまで努力するのはダメだと思いますが、余裕ができた時間をボケーっと過ごすのではなく、成長のために使ってみることが最終的に自分のためになるのではないでしょうか。

今後どうやって生き抜いていけばいいのだろうか

10年くらい前になるのかな?韓国企業がすごく勢いがあった頃に某韓国企業の人と話をしました。製造業において韓国メーカーの攻勢によって日本メーカーが苦しんでいた頃でした。

せっかくなので「なぜ韓国メーカーはそんなに強いのか?」といったことを聞いてみました。「経営戦略」や「マーケティング」「営業手法」などにおいて優れた方策が聞けるだろうと想定して聞いた質問でした。

しかし、その時に返ってきた答えに純粋に驚いたというか、考えさせられました。

「どうすれば今より良くなるのか。どうすれば売れるのか。それを必死にみんなで考えているだけです。」

「経済成長を続けていた頃に日本人がやっていたことじゃないですか。それと同じことをやっているだけです。」

私自身は経済成長の時代を生きてきたという年齢ではないので正直実感はないのですが、「プロジェクトX~挑戦者たち~」などで採り上げられている事例だけではなくいろいろな企業でいろいろな人が必死で考え、戦ってきたのであろうことはなんとなくわかります。そのような動きを韓国メーカー(経営者や従業員)がしているから強いのも頷けます。

それから数年後、その韓国メーカーでさえ中国メーカーの攻勢を受けて苦しむ面が出てきました。新興国と呼ばれている国が豊かになるにつれて企業や従業員のやる気が満ち、努力をする人たちの比率が一気に高まって強力な攻勢をしかけて来るのです。東南アジア諸国などの成長も著しく、日本がいつまでも安泰だと考えること自体が厳しい時代にとっくに入っていますよね。そういう時代にもかかわらず「ぬるゲー」だと感じる職場が日本にたくさんあるという事実はかなり困った状況なのではないかと個人的には思っています。

このような話はすでにいろいろな人が話したり書いたりしているので今更だと思う人も多いでしょうが、私自身はすでに今後どうやって生き抜いていけばいいのか正直悩んでいます。「この会社に入ればとりあえず自分の人生はなんとかなる」という保証を得られるような企業なんてほとんどないですから。

ただただできることは、「今日より明日、明日よりも明後日いい仕事をできるように頑張ろう!」を実現するために日々のちょっとした努力を続けることです。それでさえ、日本人同士での戦いには勝てるかもしれませんが、グローバル経済に放り出されたらすぐに駆逐されるのではないかと思っています。

それでもやはり、日々努力を続けることはやめずに自分が存在感を出せる場所を作り続けていくしかないんですよね。なにしろ、周りがすごい勢いで努力しているわけですから。

なかなかに大変な時代を生きることになったものです。