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人を育てることが企業の競争力につながる

人手不足や後継者不足による倒産が注目されるくらいには労働力不足が顕著になってきた日本においては、若手社員はもちろんのこと新卒社員にも高いレベルを求める傾向が本当に強くなってますよね。

語学力や資格などの目に見える形での実力もですけど、コミュニケーション能力や自頭の良さ(理解力の高さや柔軟性の高さなど)のようなものも採用段階から求められるようになっています。そのようなものは昔から求められてはいたと思いますが、以前と比べるとそれらの能力を備えるまでの猶予期間が短くなっているという感じという方が正確な表現ですけども。

そういった背景もあるからか、「成長することに貪欲な気持ちを持っている若い人が多いな」と思う機会が増えました。SNSなどで情報発信している人を目にすることが多くなった(目に入る範囲が広がった)からというのもありそうですけど、自分が直接関わる範囲の若い人もその傾向が強くなっている気がします。

成長するために努力することはいいことだと思うし、目にする範囲でも自分より歳下で優秀な人がたくさんいる状況を考えると、自分ももっと成長しないとダメだなという刺激を与えて貰えるので個人的にもいい環境になってきたなと思っています。

しかし、それと同時に自己評価が低い人も増えたなというのも感じています。あまりにも求められるレベルが高いので、そのレベルに達していないと感じるが故に「自分はダメな人材」だと思ってしまうのでしょう。

そういう自己評価の低い若者に自信を持たせるのも結構大変で、それこそ褒めて伸ばす教育をうまくやっていかないとすぐにネガティブになりますからね。うまく褒めないと、その褒めたことですら「今回はたまたまうまくいっただけで、いつも同じようにできる自信はない」とネガティブ思考になるきっかけになってしまうので…

そして、褒めて育てることを得意とする人が少ないこともまた不幸なことなんですよね。不足している点を指摘して指導する、できないことを叱責するって方が上手に褒めることよりも簡単なので、どうしてもそっち方面に流れていきがちなのですよ。

怒鳴ったり殴ったりしてできるようになるんだったらまだいい方(良くはないけど)で、大抵は萎縮してしまうが故に必要以上に気を遣ったり緊張したりでできるようにはならないし、違うところでミスしてしまって更に負のサイクルに陥ってしまうことの方が多いわけです。仮に萎縮しない性格の持ち主だった場合は、反抗するか無視するかで結局のところ伝えたいことが心に通じないし、耳にも入らなくなることも多い。どちらにしてもいい結果になることの方が少ない。

ただ、そのような環境下で育った or 育ってないけど生き抜いた人たちが組織/団体に残っていて、「自分たちの頃もそうやって指導されて育ってきた」「そんなことで音を上げるなんて弱い奴らだ」って思考になることが多くて、結果として同じことを繰り返すわけです。

自己評価が低い若者を主語に語ってきましたけど、自己評価の高低に関わらずこういう環境下にいるとどうしても脱落してしまう人が出てくるんですよね。そういう人たちがはじき出されたとしても、人が多い時は代わりを探してくればよかったのかもしれませんけど、人が不足しているので代わりが見つからない時代になってしまっているわけですよ。それなのに変わらない組織/団体、そして個人が多すぎる気がします。

「一億総活躍社会」を実現しようと思った時に、働きやすい環境を整えるための仕組みづくりに注力することももちろん大事なのですが、それに加えて個人をどのように活かしていくのかを考えられる思考を持てる人材育成を進めていかないと意味がないでしょうね。

ちなみに、その思考を持つには「対象者個人ときちんと向き合う」「実現させたいゴールまでのステップを明確にする」という考えを持っておくことが個人的には必要だと思っています。

対象者個人ときちんと向き合う

ある程度教育のマニュアルがあって、求めるゴールは一緒なのだとは思うのですが、そのゴールへの道は人それぞれなのが実際のところです。近道がある人もいれば、上り下りを繰り返しながら進む人もいるし、乗り物に乗れる人もいれば杖を突きながらじゃないと歩けない人もいる。

そういうことを踏まえた上で、その人がゴールに到達するためにはどのような形で進んでいくのがいいのか、どのくらいの速度で進めばいいのかをきちんと見て、指導してあげることが必要です。

正直な話、これをやるのは本当に大変だし苦労も多いです。自分の業務をこなしながら指導も行うという人の方が多いでしょうから、これを律儀にやると自分の業務を処理するのに支障が出ることもよくあります。

私自身も自分の業務をやりながら指導もしていましたが、それこそ数分だけ対応すればすむ人もいれば、時間をかけて対応しなければならない人もいます。自分の業務が山場を迎えている時などに時間をかける必要がある人に対応することになった時などはさすがに辛かったですからね。

それと、個別対応を進めていくと時間をかけている人に対して「甘やかしている」と見られてしまうのもまためんどくさい。「手間がかかっても育ってくれるのが一番じゃないの?」「そのために時間が必要なんだから時間をかけて何が悪いの?」と思って指導していましたけど、時間をかけているのが手取り足取り教えていて、なんなら代わりにやってあげてる、くらいに見えていたのかもしれませんね。

そのような負の面もありますが、ゴールに到達してくれる人を1人でも多くしようと思ったらゴールを目指して進んでいる人それぞれに対する支援を考えてあげるしか正解はないと思います。それを教育担当者個人だけで実行しようとすると死にますから、組織としてそういう動きをできるようになっていくといいですね。

実現させたいゴールまでのステップを明確にする

上に書いたことの補完みたいなものですが、ゴールに向かうための道筋を明確にしてあげることと同時に、どのようなステップで到達するかを明確にしてあげたらいいと思っています。

ゴールを示すことはもちろん必要なのですが、その人がまず目指すべきところはどこなのか、そこに到達したら次はどこに向かうのかを刻んで示してあげた方がいいと思っています。これも個人と向き合うのと同様手間がかかることですし、何より指導する側がゴールまでの道筋をきちんと示してあげなければならないのでそう簡単な話ではないですけどね。

ま、簡単に言えばコツコツとやって成功体験を何度も与えることで自信を持たせることと次の目標に向かうための意欲をわかせることが大事だよって話です。誰だって遠い目標に向かっていて、到着するのにどれくらいかかるかわからない中進んでいくのは辛いものですからね。とりあえずの目標を作って到達できたら喜ぶ。そしてまた次の目標に向かって進んでいき、また到達して喜ぶという形で進めていくのがいいですよね。

それを自分自身でできる人だったらいいのですが、意外と苦手な人も多いのでそれを支援してあげられれば脱落者を減らすことはできると思います。

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特に目新しい話をしたわけでもないので、どこかしらで同じような話を目にしたことはあるでしょうけど、それでもできていないケースを今でも目にするので書いておきました。

ちなみに、ここまで書いておいてなんですが…上のようなやり方で指導をしていた私は最終的にはその組織からドロップアウトしました。

小さな組織ではありましたけど、私を含めて組織の上席が一丸となって取り組んだ結果として非常に強い組織を作り上げることができたのでいい成功体験を得られたので今でもやってよかったと思っています。

ただ、それでも大きな流れには打ち勝てず、組織全体を変えるまでには至らずに最終的には疲弊してしまったんですよね。上席はそのまま戦い続けているので尊敬していますが、その労力をもっと有効に使える場所を作っていこうと思った結果私は先に去ることにしました。

組織を離れてからも当時指導していた若手との交流は続いていますし、今の自分があるのは当時の取り組みがあったからだと思ってくれている若手もいるのでまったく後悔はないですけどね。

…その若手のほとんどがその組織からいなくなっているという事実は寂しい限りですが。。。

全般

Posted by いとひろ